25cm口径反射望遠鏡「銀次の部屋」IV 兼 亀田 滋のHP:掲示板のコーナー3

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有終の美か。超絶火星像。大満足。

惨敗気分の翌日、この日は一日快晴が続きましたが、翌日は曇りのち雨の予報でしたので、夜半まで天候が持つかどうか、非常に懐疑的でしたが、雲1つ無い夜となりました。
夕方から銀次+ポンセマウントを準備していました。
実は昨夜、C8を安定化電源で動かそうと思ったら、充電池が完全放電していたという失敗をやっていました。前回の撮影時に恐らくあまりの寒さに撤収する際、電池を1つ電池ボックスから抜いて回路断線をさせるのを忘れたまま、まだ充電は持つだろうと思っていた行き違いによるものでした。急遽、前夜はダメ元で、問題頻発のあったAC電源をベランダに新調したコンセントからつなぎ、使ってみました。問題なく動き、前夜の成果となった訳でした。
この日はそんな前夜の失敗もあり、充分充電をして臨みましたが、どうも充電が不足しているのかテスト駆動の時に回路基板上のLEDが点灯しません。万一の動作不能に備えて、C8+AC電源の組合せも温度順応していました。

21時ごろ、ファインダー合わせなど、久々の銀次出撃のために時間をかけて設営準備していましたが、眼視で確認すると、もうその時点の仰角で充分、火星の模様が見えました。まだ正面には回ってきていない大シュルチスの黒々とした印象が非常に強烈で、今シーズン、そんな強烈な火星像を眼視では見たことが無かったので、もうその時点から撮影に入りました。

が、ポンセマウントが言うことを効きません。垂直微動には癖と要領がありましたが、今回は全く通じませんでした。
火星が東から上がってきているのもこの架台の構造に不利なものがあるのでしょう。
なので、初期にあれこれ手こずったのと同じく、超高倍率で架台のクランプも固定しているのに、無理繰り手で狭いToUCamの写野に火星を持ってくるトライを何度もしました。結局、予定した時刻近くになって撮影を開始できました。

それでも1AVIあたり300-600フレーム(30フレーム/秒)程度しか撮れません。無追尾ほど酷くないですが、すぐに火星は写野の外に流れ出てしまいました。充電池の充電状態にやはり不足があったのかもしれません。
現場で調整工夫を検討する時間のゆとりもありませんでした(翌日は平日で家族は最近早めに就寝します)ので、とにかく、こま切れでも後で連結処理して使うべく、とにかく強制粗動での写野導入と少ないフレームの撮影を重ねました。
前夜のモニタに写る雪玉のように拡散した火星像と全く異質のぴしっと中身が詰まった印象の、模様も結構確認可能な火星像がモニタにありました。ただ追尾がそんな状態なので、それほど撮影倍率は上げられませんでしたが。

結果を見ましょう。5AVI連結、4860フレームから2960フレーム選抜での仕上がりです。
ついに、銀次で追尾撮影をして、火星を撮る、この長年の夢がついに現実となったのでした。

眼視での強烈な印象通りの鮮鋭な火星像とはなりませんでした。模様の深い濃淡が識別できるものの、像が小さ過ぎて、詳細が潰れている感じですね。北極冠を取り巻く暗部の形状も、昨夜のC8像より非常に明解です。

       m20100124_1_5_Dy_2960R3.jpg

幾分、露光オーバーだったのでしょうか。Wavelet処理を強めにかけると階調が反転してしまい、良い仕上がりにはなりませんでした。
Wavelet処理はDyadicにしてみました。Linearでは階調飛びがどうにも回避できませんでした。
緑色の偽色が発生しているのも露光オーバーで階調が崩れたためかもしれません。偽色は色相が飽和している部分であるため、色相補正ではなかなか取り除けません。そのため少し全体の色相を落としてみました。眼視でのハイコントラストで大いに期待しただけにこの結果は残念です。

22時半過ぎ、ポンセマウント架台設営の角度と位置では火星がベランダの屋根で銀次に口径食が始まりましたので、待機させていたC8をAC駆動で起動しました。流石に前夜あれこれ手こずったこともあり、当夜は非常に手馴れた感じですぐに撮影に入れました。
期せずして、銀次とC8、ほぼ同一条件での撮影比較も実現することになりました。
こちらは4AVI、2000フレーム前後ずつのデータをそれからでも撮れました。
モニタの印象では銀次ほどのハイコントラストではなかったですが、前夜の雪玉火星とは違ったしっかりした像が見えました。

4AVI全連結、6398フレーム選抜処理での仕上がりです。当然少し画像は甘くなりますが、後処理での150%拡大処理も併載します。
AVIデータをRegistax3にかけてWavelet処理結果が出た瞬間、「うおー」と大声を上げました。(家族は寝てましたが....。^^;)

       m20100124_12_15_L12_6398R3.jpg m20100124_12_15_L12_6398R32.jpg

これぞ醍醐味です。小接近で像は小さめながら、それ以外は2年ごとの毎シーズンのピークと同様、「地球大気の存在が無いかのような、人工天体からの画像かと思わせる火星像」と評して良い範疇の仕上がりだと思います。
大シュルチスの濃淡、サバ人の湾のうねりの詳細、その他、微細な斑点、北極冠の高コントラスト、その周囲の模様の形状詳細などなど前夜と同じ光学系、撮影機材と思えない仕上がりです。そして前夜同様、色彩が美しいです。鮮鋭な模様で一層色彩が引き立ちます。こちらも若干、緑色の偽色が発生していますね。

眼視では銀次、画像ではC8、いつもの「引き分け」が今回もまた同じ結果となりました。
ニュートン式の鋭像を銀次に期待しての出撃でした。C8は前夜のまま不調で、銀次が胸のすくような鋭像の火星を、という感じを正直期待していました。結局、惑星撮影の出来はやはり機材より気流次第、ということなんですね。今シーズンの不調において、C8に問題は無かったことが証明できて安堵しました。

久々のダブル出撃となった記念撮影をしたかったですが、また下のバスロータリーのところには、バイクの連中がこの日は朝からずっとたむろしていて、大声で気勢を上げてましたので、ベランダでストロボでも使おうものなら、自分たちが撮られたとイキリ立つような局面を想像するだけで辟易しましたので、撮影はやめました。誰がお前らなど相手にするものか、って話です。まあでも誰もが「自分が宇宙の中心」と思う自由を持ち、それを当夜は尊重差し上げた、とも言えますか。

当夜は機材撤収はあきらめて、カバーをかけて終わりましたので、翌朝、機材撤収の前に記念撮影をしました。C8一式はもう解体して床置きしていましたので、画像に写っていません。

       20100125a.jpg

もしかしたら、当夜が人生最終の火星撮影になったのかもしれません。
もしそうなるのだとしたら、有終の美に相応しい仕上がりで締めくくれてよかったです。




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テーマ:宇宙・科学・技術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2010/01/25(月) |
  2. 天文・天体画像
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<最後の屋上出撃も...。 | ホーム | 6208フレーム全目検で像の改善を目指したものの....。>>

コメント

濃い模様が撮れていますね

亀田さん
ダブル出撃お疲れ様です。
模様が濃く出ていますね。極冠も真っ白に輝いています。美しいです。
僕は この冬からKenko SE200N CRを導入しました。
それにしても亀田さん 文末が気になります。
星の撮影はやめてしまわれるのでしょうか・・・。
  1. 2010/01/26(火) 19:54:13 |
  2. URL |
  3. はまだ
  4. [ 編集 ]

はまださん

はまださん

> ダブル出撃お疲れ様です。

早速のコメントありがとうございます。
ようやく今シーズン、満足の出来に至り、ようやく安堵できました。
いかにも私が撮る火星という感じに満足しています。

> 僕は この冬からKenko SE200N CRを導入しました。

ええ。先日の記事のコメント欄でKENさんに教わりました。
貴サイト拝見しましたらファーストライト画像がありました。
同じC8派のはまださんだけに、このご転向のインパクトは大きかったですが、
私もその気持ちはよく分かりました。
でもC8で結果を出せたので、その点でも安心しました。
できればこの後、C8一本に機材整理をしてしまおうかと思っております。
今回、銀次のほうが圧倒的に凄い画像にならなかったのも、残念である一方、
整理の上ではよかったかなあ、とも思えます。

ほんと、私の部屋、もう機材だらけで滅茶苦茶なんですよ。
6畳の部屋に壁面を埋める棚にビデオからDVDまで過去に記録した映像資産やAV機器
(アナログTV含む)、作曲創作用のキーボード数台、録音機器、銀次など天体撮影機材、
机には用途別にPCが5台、果ては家族が引き取らないマッサージ椅子まであり、仕方なく
ロフトベッドを使ってその上に寝る空間を確保しています。
C8のキャリングケースは一度部屋の隅に置いてましたら結露でカビが生えましたので
今は清掃の上、天井から吊っています。

まあそんな感じで、創作活動が全くできない状態です。
この春からは作曲創作も再開するつもりなので、もう少し場所をとる機材は考えないといけません。

> それにしても亀田さん 文末が気になります。
> 星の撮影はやめてしまわれるのでしょうか・・・。

もともと今回の火星接近が終われば、一旦休載するかとは思っていたのです。
2003年からいろいろトライしてきて、何度もこれ以上は望めないほどのピークの
結果を得た上で、その上がもう物理的に無さそう(=極めた)かと思えば、
余生を他のことにも回さないとそんなに時間が残っていない気がしています。
最近、肉体の衰えの速度が一段速くなったようで、その加速感を考えると、
若い頃のように、いつまでも時間はあるとは思えなくなっているのです。

この2年ほど修行してきた世界は、今は指導側の立場にもなり、後進が集まって
きて下さるようになりました。その活動での啓蒙、情報公開活動などの多忙も
ありますが、むしろその世界も修行者としてはゴールを迎えたことで割く時間は
少なくなって行くと思いますし、やはりそれまで大事にしてきた創作をきちんと
復活したいと思っています。

そう思っておりましたら、自宅マンションの外壁改修工事でベランダと屋上が
2月から4ヶ月ほど使えなくなるとのことなので、もうこれは丁度いい機会かなあと
思ったのです。
また火星が大接近に近い条件で接近する頃に機材をぶん回せる体力が残って
いましたら、その時にはまた火星撮影を復活させようか、とは思っています。

なのでブログ終了、というよりは、まあ休載ですね。期間は決めていませんが。

作曲などの創作も、一旦実名世界のHPやブログから離れたいと思っています。
もうその新しい世界での地位確立で「自分探し」がついに終わって、創作を
純粋に創作としてだけ扱うことができるようになったこともあり、
創作したものへの揶揄などが実生活に影響する、とかそういう非常に次元の
低い想念におつきあいできるほど、残り時間は無いと逆に強く感じるようになりました。

また最後のご挨拶を書くときには、はまださんや昔からお世話になった方々には
メールで、この2年何をやって今どんな成果があるか、この先何をやるかなど
お伝えしますね。ブログやHPでは、善意の人だけが見ている訳ではない、とこの数年
本当に懲りましたから、それらのことは明かさず去りたいと考えています。



  1. 2010/01/26(火) 21:21:39 |
  2. URL |
  3. 亀田 滋
  4. [ 編集 ]

今晩は?

海の濃淡など非常によく撮られていますね。
有終の美などといわず継続していただけたらと思います。
今晩は出撃されませんでしたか?
当方帰宅が22時で、透明度が高くて比較的落ち着いている星星を見て、最接近前の火星をどうしても見たくて1時間の仮眠をとりました。
昨夜も睡眠時間は短かったのでぐっすりと眠れました。
結果は、かなり良像が得られました。
じっくり処理したいと思います。
  1. 2010/01/27(水) 01:33:12 |
  2. URL |
  3. KEN
  4. [ 編集 ]

KENさん

KENさん

> 海の濃淡など非常によく撮られていますね。

ありがとうございます(^^)。

> 有終の美などといわず継続していただけたらと思います。

いや実際、無理なんですよ。
外壁改修工事がなければ、きっと決断は揺らいだと思いますが。
洗濯物をベランダで干すこともできないんですよ。撮影機材の設営など無理です。
機材をベランダと自室の往復をさせるだけで最近は疲労困憊です。
安全な場所を見つけての遠征など夢のまた夢だと感じます。

> 今晩は出撃されませんでしたか?

良い機会だったみたいですね。
私は晴れていたとも気づきませんでした。先日の結果に安堵してしまったのかも。
画像、拝見しました。凄い詳細が撮れていますね。
詳細感、色相など一時期のミドリでんかさんの画像を思い出します。
やはりこれからは私は鑑賞側で充分満足できそうです。


  1. 2010/01/27(水) 19:28:40 |
  2. URL |
  3. 亀田 滋
  4. [ 編集 ]

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  1. 2011/10/02(日) 12:38:00 |
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亀田 滋

Author:亀田 滋
1996年にプロトタイプ公開で始まった「亀田 滋のホームページ」でご好評の「25cm口径反射望遠鏡『銀次』の部屋」(2008/10現在HP全体で12万5000超アクセス)と、掲示板のコーナー1、2(2008/10現在通算26万超アクセス)の続きはこちらで!

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