25cm口径反射望遠鏡「銀次の部屋」IV 兼 亀田 滋のHP:掲示板のコーナー3

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火星。雲間からの屋上出撃。

週末、土曜の朝は雨になりました。
でも金曜の夜、火星を屋上で撮りました。
雲だらけで待機やら、やり直しやら大変でしたが、あきらめずに撮影してよかったです。

やっぱり、ツイてます。最近、一体どうしたんだ(^^)?って感じですが、気持ちの持ちようが毎日の見方を変えるというのは、大アリだなあと思うようになりました。

この金曜は夜、クリアに晴れました。
帰宅もそれほど遅くなく、C8をベランダで温度順応させました。

が、子の期末試験勉強が土日前の中休みで、家族は珍しく早く寝るとの間の悪さで、ベランダの使用は断念し、屋上出撃となりました。

そろそろ火星も地味な模様の位相が終わり、太陽湖やオーロラ湾あたりが見えて来ることがフリーソフト「火星くるくる」(詳細はネット検索下さい)などで分かっており、これから当面は火星撮影の好機となります。今までの接近と違い、最接近時でも視直径が14秒程度にしかならないため、はっきりした模様が見えている位相の時を狙って撮影するのがよいと思っています。

仰角が30度前後に至る23時過ぎには家族は寝ていて、ベランダから移動させて玄関外のドア脇に無用心に待機させていたC8一式を回収し、屋上に上がりました。どこから来た訳でなく、急速に気温が低下しているために、山の斜面でもある頭上そのもので雲が急速に生成していたのでしょう。急な雲がちな状況にあきらめる選択も考えながら、とにかく屋上に上がってみました。

設営と撮影準備が終わった時点で、火星は雲に隠れて見えなくなりました。
ただ火星周辺以外はまだずっと輝星は見えており、いつかは機会はあるかとそのまま待機しました。

ファインダーと主鏡の平行調整も今夜は非常に良く、写野からの逸脱時の復帰も容易な上に、NexStar架台の追尾も非常に安定していました。輝度が低いために、最初の写野への火星導入は手間取りましたが、その後は長時間、雲に見えなくなっていた火星も、ずっと写野に留まっていました。今回も安定化電源回路は本領発揮です。

時々、雲間から火星の輝度が上がる瞬間があり、撮影をしてみましたが、逆に雲間での輝度調整がアダとなり、露光オーバーのためにデータが使えず、とか、すぐに雲間にまた火星が隠れてデータが使えず、など悶々のうちに1時間半くらいが経過していました。

ようやく火星が少し大きな雲間に至り、いざ撮影開始となったころにPCのバッテリーがあがりました....。
途中で写野から火星を外したくない思いもあって、PC電源を切らずに待機していたのでした。再起動にも時間がかかりますので、好機を逃すという懸念もあってのことでしたが、結局、予備バッテリへの交換をするくらいなら、判断は裏目に出たとしか言いようがありません。設営時点からずっとシリウスやリゲルなどは見え続けていたので、これほど長時間、待機することになろうとは考えていなかったのです。

予備バッテリに交換しPCの再起動にも時間がかかりましたが、ようやく撮影再開の準備ができました。
ところが次の撮影開始で、ドロップフレームが連発して、実質の取得フレームがないような(1000フレーム取得してドロップが980フレームのような)状態に、一旦、今まで撮って来たデータを全て削除して、再度撮影に臨みました。

既に雲間の好機は終わっており、薄雲の中での撮影になってしまいました。捨てたデータの中には、もう少しクリアな空の状態でのデータもあったので、残念でしたが、戻る選択肢はないのでした。

眼視での火星像の輪郭はビリついており、北極冠の存在は分かるものの、模様についてはその北極冠周辺に暗部がある程度でそれが何かは判別できませんでした。模様の確認よりも、先日の雨の痕が残る冷えた屋上で膝立ち状態で待機と撮影をするうちに何度も爪先が吊り、それを叩いてしのぐという、なかなか味わえないような苦行(^^;)のため、いつも以上に眼視での観望のゆとりはありませんでした。

6AVIめの撮影が始まった途端、今まで東の低空に留まっていた、かなり厚い雲が映画「未知との遭遇」で巨大UFOが片田舎に現れるシーンのように急速に空全体に広がってきて、完全に曇りましたので、そこで撤収を決めました。

今回もこんな雲に悩まされての撮影でしたので、あまり期待もせず後処理に入りましたが...。

       m20091204d_L12_2012R3.jpg

案外、良好な印象です。2012フレームからの合成です。Registax3のWavelet処理はLinear[1:2]です。C8にLV8-24mmZoom、ToUCamProIIでの撮影です。
像下半分の暗部はアキダリアの海ですね。右肩(倒立像なので本来北西)の突起部も明解です。このあたりに生命の痕跡を求めて昔、バイキング1号や最近ではマーズパスファインダーが降り立ったのでした。(アキダリア海最南部と突起部ルナ海の間あたり)

最後に雲の急襲で途中終了したものが、フレーム数は少ないものの、最も薄雲の影響が少ないものでしたので、そのデータ単体でも仕上げてみました。1288フレームでの合成です。

       m20091204e_L12_1288R3.jpg

最初から3件分、比較的狭い時間範囲内で連続撮影したものを連結してみました。5498フレームでの合成です。後処理での拡大分と併せて公開します。最も細部を叩き出せているかもしれません。ナチュラルな階調も美しく、北極冠も綺麗です。

       m20091204abcL12_5498R3.jpg

       m20091204abcL12_5498R3b.jpg

取得したデータ全部連結しても10000フレーム未満でしたので、6AVI全部を連結処理してみました。9011フレームでの合成です。

       m20091204abcdefL12_9011R3.jpg

       m20091204abcdefL12_9011R32b.jpg

全AVIデータの撮影時刻範囲は8分間にまたがります。一挙合成で模様がズレない範囲のほぼ限界でしょうか。細部は先ほどの3件合成のほうが自然な印象ですが、一層、アキダリアの海が黒々浮かび上がりました。

その一方、北極冠側から火星を見る構図となるために、期待した太陽湖やオーロラ湾(像の上半分の暗部)は、細部の構造まで分離できていませんね。
火星の著名な模様は全て南半球に集中しており、2003年(例えば「銀次の部屋6」の画像)のような、南極冠側から火星を見る構図のほうが模様の見映えはありますが、まあそれはどうにもなりませんので、与えられた環境でベストを尽くすしかありません。

でもまあ撮影状況の悪さにしては、満足の仕上がりです。粘ってよかったです。いつかこの「撮影状況の悪さ」という前提条件を外してベストを狙いたいものです。
まあ目標設定を高くしておけば、いつかはそこに到達するでしょう。
さて、次の晴れの夜はいつか....黄金位相までに何度かトライしたいものです。

しかし、今見ると、2003年の超大接近の際の火星像(「銀次の部屋8」など)は、自分の手によるものながら、凄い緻密ですね。
当時、多くの反響を頂いた当方はその実感がなかったのですが、視直径の小ささや冬場の悪気流など、悪条件が重なることが普通となったその後の接近での撮影環境から考えると、視直径が今の倍(像面積で4倍)以上あったことが大きいですが、よくぞドブソニアン(無追尾)の銀次と、それゆえの手持ち撮影でのビデオでこれだけのものを残したものだと思ったりします。2005年、2007年はC8+NexStar架台での追尾で、2003年と比べての悪条件化を相殺・凌駕する出来に至れましたが(「銀次の部屋35」「銀次の部屋57」参照)、今シーズンはどうでしょうか。既に最大接近に近い視直径10秒を超えて、この程度ですので、あまり過度な期待はしないほうがよいのかもしれません....。

ちなみに今回の模様解説はこんな感じです。

       火星解説図20091204a.jpg

「火星くるくる」画像をそのまま貼り付けると、恐らく火星データの著作権などに抵触するのではないかと思いますし、また実撮影画像が貧相に見える(何せ相手は人工天体などからの画像を元にした緻密な絵ですから)のもイヤですので(^^;)、「火星くるくる」の撮影日時での表示を撮影画像程度にボカした上で、主な模様の説明を加えました。識者様には説明不要なほど有名な地形ばかりですが、ご覧になる方はそうばかりではないと思いますので、説明を加えてみました。

ちなみに主要な火星地名の載った火星地図はこちらの公開データが私はいいなあと思います。望遠鏡画像と同様、倒立像ですし、地図は撮影した像とは印象が異なりますので詳細であっても撮影画像の邪魔にはなりませんね。

正立像ものでは、地名の解説も表示されるこちらも良い感じですね。ちょっと図が詳細すぎて撮影画像との印象を合わせるのには苦労が必要そうですが....(^^)。


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テーマ:宇宙・科学・技術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2009/12/05(土) |
  2. 天文・天体画像
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亀田 滋

Author:亀田 滋
1996年にプロトタイプ公開で始まった「亀田 滋のホームページ」でご好評の「25cm口径反射望遠鏡『銀次』の部屋」(2008/10現在HP全体で12万5000超アクセス)と、掲示板のコーナー1、2(2008/10現在通算26万超アクセス)の続きはこちらで!

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