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25cm口径反射望遠鏡「銀次の部屋」IV 兼 亀田 滋のHP:掲示板のコーナー3

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木星。

そろそろ木星が東向きベランダから好条件で見える時期も終わりに近くなってきました。夕方薄明が終わるころには木星の仰角も随分大きくなってきた感じです。ただ昼の長さも短くなってきて何とかシーズンの延命になっている感じでしょうか。

「今日の木星Ver1.00」予報では、かろうじてベランダから木星が見える時間帯に大赤班が見える印象でしたので、週末でもあり、銀次+架台+ポンセマウントをベランダに設営しました。ベランダから木星を撮影できる期間に何とか今年の火星のメイン機材としての評価を確定しておかねばなりません。まあそれが難しい結果になれば、もう何回も高い実績を残しているC8を使えばよいのですが。最接近時の視直径も接近ごとに小さくなっていますので、50mmの口径差というところに期待しての銀次評価という訳です。

赤緯微動装置に関して、前回撮影時に思い当たったことがあり、今回はそれを確認しました。
銀次架台を直接置くポンセマウントの天板は二重構造になっており、片方が蝶番閉じになっています。専用のモータとその軸に非対称に取り付けられた偏心カムでその天板の上半分を押し上げ・戻しをする構造です。

いつも撮影時に倒立像のToUCam写野中で、下から上に動かす微動の効きが悪く、木星が写野から外れて行ってしまいます。
木星がベランダの屋根に消える仰角に至った頃、ようやくその微動が効き始め「南中を挟んで15度の範囲程度しかこの機構は効かないのは駆動方向と三角関数を少し考えれば明らか」と東向きベランダでの撮影を残念に思っていました。必要十分なフレーム数を得られないのでした。

しかし前回の撮影時に比較的低仰角から赤緯微動装置が効き始めました。それで十分なフレーム数を得ることができました。となると、この微動装置の効き具合に関して、何か見落としている状態改善の施策がある筈だと考えたのです。
強拡大撮影のほうが木星のような比較的コントラストの低い天体は詳細感がはっきりしますが、そのためには強拡大で相対的に狭くなった写野の中に木星を押し留める必要があるのでした。

       20090821c.jpg

以前、ポンセマウントを導入した時の画像ですが、これが天板単体を写したものです。H型の骨格構造とモータ、ギヤが取り付けてある板部分が一体になっていて、背後の野球のホームベースのような形の天板が、画像の上方で蝶番留めになっています。モータと偏心カムでその天板を押し上げたり戻したりを周期的に行う構造なので、カムの回転位置によってはコントローラのスイッチを逆に使う必要も出てきます。
この画像の下方端が僅かに開いたり閉じたりする訳です。となれば、撮影の初期設定の際に、この部分が最大に開いているか最大に閉じているかの状態にしておくことが、赤緯微動装置を最大時間、最大効率で効かせる勘所であることは明白だと気づきました。

この日の撮影前テストで結果的にこの部分を最大に閉じておき、コントローラでだんだん開いて行く方向に使うとToUCam写野の下から上への微動が比較的低仰角の時間帯から有効になることが分かりました。

以上の経緯からようやく今回は最初の撮影から上下左右(赤緯赤経)微動を完全に制御できましたので、2000フレーム級の撮影ができました。ベランダにACを引ける工事をしたことで、大画面液晶ながらバッテリが死んでしまっているノートPC(昔の記事で高速PCと呼んでいた機材です)のHDD空き容量を活用できました。

低仰角の間は上空気流の霍乱で、良い結果を得られませんから、撮影間隔をあけるために、撮影してはRegistax処理をかけて結果を見て行きました。バッテリアウトの心配がないからで、これもベランダにACを引いた効果ですね。

初回は気流の影響で焦点出しも定まらない状態での撮影でしたが、やはりモヤモヤの結果にがっかりです。今回も結果を出せない不安が沸き起こってきました。30フレーム/秒での2070フレーム合成で、Wavelet処理はLinear[1:2]です。LV8-24mmZoom+ToUCamProIIでの撮影です。(以下も取得フレーム数以外は共通。)

       20091004_01_L12_2070R3.jpg

気流霍乱で合焦が定まらない場合には吉と出るか凶と出るか場合によりけりでしょうが、強拡大して合焦面を薄くすることでピントの追い込みを一層シビアにして、そこに気流状態が安定してくるまで、少し待機することにしました。

少し気流が安定してきて詳細が見えてきました。2104フレーム合成です。走査線ノイズが少し出ていますね。

       20091004_03_L12_2104R3.jpg

ベランダの屋根で口径食が出る手前の時間帯にようやく満足に近い成果を得ました。2126フレーム合成での仕上がりです。

       20091004_05_L12_2126R3.jpg

更に上を望みたいところですが、過去この機材で撮った木星像としては最も安定した画像と言えるでしょう。微動装置が安定したことで、やはりこれからは最初から強拡大での撮影準備をしたほうが光学性能を有効に使えそうです。

大赤班が予想通りの時間帯に現れなかったために画像に締まり感はないですが、解像感的には随分使えるようになってきた印象です。
しかし、ご常連のKENさん(いつもありがとうございます)は20cm口径ニュートン鏡でもっと高水準の木星像を安定して得られておりますし、恐らく私もまだC8で撮影するほうが良い結果を得られるのかもしれません。

少し縮小してみました。詳細感は減りますが画像は締まりますね。

       20091004_05_L12_2126R3b.jpg

2009/09/26「夕景の中の月」のコメント欄にご常連の秀丸さん(いつもありがとうございます)から「今日の木星Ver1.00」での大赤班出現消長時刻の補正方法をご教示頂きました。大赤班は巨大台風の目のような構造なので、常に木星の固定経度にある訳でないため、その分出現時刻予報がずれるそうです。現時点での大赤班の経度をご教示頂きましたので、これからはその補正手法を使って、間違いなく大赤班が見える時にピンポイントでの出撃が可能になりそうです。


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テーマ:宇宙・科学・技術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2009/10/10(土) |
  2. 天文・天体画像
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

北縞

亀田さん
北の縞のゴニョゴニョが十分確認できますね。
ポンセットマウントの赤緯微動もうまくいったようで良かったです。
今晩は一晩中晴れでしょうから、木星、星雲・星団、月と全部楽しむのは如何でしょうか?
回転寿司に行った気分で。
  1. 2009/10/10(土) 16:25:04 |
  2. URL |
  3. KEN
  4. [ 編集 ]

KENさん

KENさん

> 北の縞のゴニョゴニョが十分確認できますね。

ありがとうございます。
大赤斑不在によるまさに画竜点睛を欠く典型となりましたので残念ですが、解像感で言えばそろそろ実用段階に入ったかと安心しています。ただ眼視でのC8との差ほどに、画像で圧倒的な性能を提示できていないので、まだまだ追い込みの余地はあると考えます。

> 今晩は一晩中晴れでしょうから、木星、星雲・星団、月と全部楽しむのは如何でしょうか?

所用で出遅れました。温度順応が間に合わないのと、木星の大赤班が今日は屋上出撃でも西空仰角との兼ね合いが難しそうで木星撮影は厳しそうです。でもそろそろ火星も夜中には上がってきますかね。ご成果、期待します。

  1. 2009/10/10(土) 19:41:08 |
  2. URL |
  3. 亀田 滋
  4. [ 編集 ]

今晩はソコソコ

今晩のシーイングは悪くは無かったです。
透明度がソコソコでしたので60秒露出でもそれほど粗らくならず木星の北の縞の荒れ方がわかりました。
透明度が良いとだいたいシーイングが悪いですからね。
  1. 2009/10/10(土) 21:52:59 |
  2. URL |
  3. KEN
  4. [ 編集 ]

KENさん

KENさん

> 今晩のシーイングは悪くは無かったです。

いやーそれでも先日の私の木星像を遥かに凌駕する素晴らしい仕上がりです。URL欄経由で早速拝見しました。銀次やめてSE200Nに私もするか.....いやいやまずこのご成果はKENさんの技術水準あってのことなのですが。

フレーム数は1000フレーム前後でも充分な感じですね。私の画像は昔からゲイン設定が高すぎるのか、かなりのフレーム数をコンポジットしないと、ザラザラ感が否めませんが、木星の場合、あまり長い時間をかけたAVIでは模様の詳細が木星の自転で流れてしまう懸念もあるのですよね。
先日の私の木星像が平均2000フレームで、30フレーム/秒ですから、あの拡大率で70秒くらいのデータになっているのでした。ドロップフレームによるタイムロスが無いとしての計算ですから実際はもっと取得時間が長かったかもしれません。

> 透明度が良いとだいたいシーイングが悪いですからね。

これからは気温低下に伴い、そういう夜が増えますね。
私は今夜は所用で準備が出遅れたこともあって、先ほど昇ってきたばかりの月をミニボーグ45ED+スカイパトロールII+E5000でお手軽に撮って来ました。こう雲1つない夜も珍しいですから何も成果無し、も寂しいと思っていたら、思ったより早く、魅惑的に赤い月が東から昇ってきました。月がまだ低仰角であったせいもあるのですが、低倍率撮影でのE5000の小さい液晶ファインダーでも、クレーターが地球の気流でチリチリしているのが分かりました。仕上げは明日にします。


  1. 2009/10/10(土) 23:30:58 |
  2. URL |
  3. 亀田 滋
  4. [ 編集 ]

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亀田 滋

Author:亀田 滋
1996年にプロトタイプ公開で始まった「亀田 滋のホームページ」でご好評の「25cm口径反射望遠鏡『銀次』の部屋」(2008/10現在HP全体で12万5000超アクセス)と、掲示板のコーナー1、2(2008/10現在通算26万超アクセス)の続きはこちらで!

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